膝の上にみじょれ。

美しい風景のある場所へ…。

彩雲

新潟115系と雪景色を絡めようと計画していたものの暖冬の影響で柏崎はおろか、長岡市内および新潟市内も積雪は絶望的な状態だった。

かといってどこにも行かないというのは味気ないので、とりあえずレンタカーを借りて関越道を下る。その車中で熟考に熟考を重ね、只見線の小出サイドを攻めることに。

 

只見線といえば現在不通区間が生じており、只見西線・只見東線とまで呼ばれている。只見川第一橋梁など絶景スポットとして親しまれているのは東側の方で、今回目指しているのは比較的地味なイメージのある西線の方である。

本数も極端に少なく、一度チャンスを逃してしまうとリベンジが効かない、いわば一発勝負路線。ガス晴れだから次の列車でリベンジ……という具合にはいかない。

 

撮影地も特に決めないまま、とりあえず綺麗に雪が積もっているところがあればそこに行こうという甘い考えのまま小出インターを降り、沿線そのまま特攻した。

 

雪国の細い道というのは基本的に冬季は通行止めになる。当然新潟で115系を追っている身としてその程度のことは頭に入っていたのだが、只見線沿線ではその想像を遥かに絶していた。

どの抜け道を探して大回りをしても目の前には除雪車が積み上げた雪の壁。なかなか線路に近づけないのだ。そもそも何らかのルートで各々の民間にアクセスできれば生活上大きな問題はないわけで、撮り鉄が行きたがるような場所まで考慮されていないというのは至極当然の話である。

 

そんなこんなで悪戦苦闘した末、車を置いて少々歩いて探すことにした。とはいえ時計をみると入広瀬発車5分前。小さい冬季閉鎖中の踏切を見つけて小走りで近づくとさらに彩雲が浮かんでいることに気づいた。

必死で路地を抜けることばかり考えていて周りの風景を見れていなかったのだ。ドライバーとしてのセンスというよりも風景写真を撮る者としての視野の狭さに落胆しつつ、間も無く列車がやってくるという緊張感でカメラを持つ手が震えた。

 

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JR東日本 只見線入広瀬-大白川

キハ47系

 

 

見事に列車通過まで彩雲はとどまってくれた。

冬の只見線らしいカットはこれで履修。

羽越本線磐越西線、さらには只見東線からヨンマルが消えてしまい、大好きな国鉄急行色も海外に譲渡されてしまう。

夏前まで残ると言われているこの只見西線で出来る限り青髭キハの勇姿を記録に収めたいものだ。

 

(2018.12.21)