長岡花火増結2019
新潟の115系に関して1年間で一番大きな話題となるのが、柏崎花火大会と長岡花火大会に合わせての増結だ。
2018年のダイヤ改正から115系による運用は6つに絞られてしまったが、その中でも信越本線の快速運用である3374Mは今もなお、これらの日には増結して運転される。
現在(2019年8/1時点で)新潟車両センターには7本、6色の115系が存在した。一次新潟色が一本、二次新潟色が二本、三次新潟色が一本、弥彦色が一本、懐かしの新潟色が一本だ。ここまでカラーリングがバラバラであると編成美を求めてさまざまな議論がなされるわけだ。
増結の際後ろ(新潟側)につく車両は7本のうち予備車運用に回っているもので、前に着く車両は6つの運用のうち順当に流れてきたものが充てられる。
結果的に、2019年の長岡花火増結は8/2が弥彦色+二次新潟色、8/3が二次新潟色+二次新潟色となった。
これは撮り鉄界では画期的な組成である。なぜなら同じカラーリングの編成がペアを組むことになったからだ。
私は普段編成写真というのは滅多に撮らないのだが、そうと決まれば迷う余地はない。しかもメインに撮影している二次新潟色のペアともなるのだから当然の話である。
胸を躍らせながら、春学期の定期考査最終日の夜に東京を出発した。
関越道をひたすら下り、朝の越後線運用を一本撮影してから東光寺の定番撮影地の場所取りへ向かおうという算段だ。
初日の8/2は弥彦色と二次新潟色の組成であり、これは本来の目的ではないので割愛する。
構図や厳密な立ち位置を翌日のためにマーキングし、一夜を明かした。
来たる8/3の朝、空はすっきりと晴れており申し分ない。このまま夕方まで晴れて欲しいものだが、新潟の天気は冬ほどではないとはいえ先が読めないことが気がかりだ。
この日は寄り道をせずに宿から東光寺のストレートへと直行した。
まだ午前、通過まで7時間以上もあるというのにすでに同業者が何名か場所取りをしている。寄り道をしなくて本当によかった…。
立ち位置だけ同乗者と申し合わせをし、後からちらほらとくるおそらく電車移動の同業者を綺麗に並べていく。もう何本の129系を見送ったのかわからない。仮眠を取るにも、増結に胸を熱くしている同業者の熱気がすごく、自分まで胸騒ぎがしてしまい寝るに寝られない。
エンジンをかけて音楽を聴いていると、通過時刻が迫ってきた。
フィルムもセットしたかったがいかんせん望遠レンズを所有していないもので、デジタルの一丁切り。構図を組む手が震えているのが自分でも分かるほど緊張していた。
全員が三脚のセットを終え、いよいよ通過時刻。若干の遅れは想定内だしここで被ったという情報も聞いたことがないので精神衛生上は比較的クリーンである。
そしてずっと続く直線の奥の方にハロゲン電球がちらほらと陽炎に揺れながら視界に入る。いよいよ勝負の時だ。
もうレリーズを持つ手は手汗でびしょびしょだ。
115系 N33編成+N35編成
無事太陽光線も持ってくれて、優勝を収めることができた。このために新潟に来たと言っても過言ではない一枚。ここまで運用が削減された今、複線区間で二次新潟色の6連は諦めていたが、思わぬ産物にしばらく興奮が収まらなかった。
(2019.08.03)